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この記事から分かること
- 仮想通貨バーンの仕組み
- 仮想通貨バーンのデメリット
- 仮想通貨バーンのメリット
※本記事へのコメント・質問等は私のX(旧ツイッター)にDMで送っていただいても大丈夫です。丁寧に回答させていただきます。
仮想通貨のバーンとは、既に市場に流通済みの仮想通貨の枚数を減らし、供給枚数を減らすことをいいます。
バーン(Burn)は「焼却」を意味します。
仮想通貨1枚あたりの希少性が増すため、価値が高まり価格面でもポジティブな影響を与える可能性があります。
仮想通貨のバーンは、主に次の2つの方法によって行われます。
- 利用者が支払うガス代の一部をバーン
- 運営の買い戻しによるバーン
イベント的に実施されることが多く、価格上昇の期待が高まるため、多くの仮想通貨で導入されている仕組みです。
- BNB
- KCS
- MKR
- ETH
- LUNA
- SHIB
- XRP
この記事を最後まで読むことで、仮想通貨のバーンの仕組み・メリット・デメリットを理解し、バーンが市場に与える影響を学ぶことができます。
※当メディアでは、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で認可を受けており、「関東財務局」に登録されている仮想通貨取引所の利用を推奨しています。また、当メディアの「仮想通貨」は「暗号資産」のことを指します。
暗号資産に関する注意事項は、金融庁・消費者庁・警察庁による「暗号資産の利用者のみなさまへ」を是非ご覧ください。
仮想通貨のバーンとは流通量を減らすこと
仮想通貨のバーンを行う際は、「バーンアドレス」と呼ばれる誰も秘密鍵を知らず、中のトークンを移動できないアドレスに仮想通貨を送付します。
例えば、Ethereum Networkでは次のアドレスです。
0x0000000000000000000000000000000000000000
各ブロックチェーン毎にアドレスは異なったり、プログラムの操作・命令でバーンを行ったりする場合もあります。
仮想通貨を発行する運営側がバーンを行う手順は、大きく分けて次の2つの方法があります。
- 利用者が支払うガス代の一部をバーン
- 運営の買い戻しによるバーン
いずれの場合でも、運営が管理するウォレットに仮想通貨を少しずつ蓄積していき、イベントとしてバーンを実行してプロジェクトを盛り上げます。
それぞれのバーン方法の詳細は、本記事後半で解説していきます。
仮想通貨のバーンのメリットは価値向上
仮想通貨のバーンのメリットは、バーンした仮想通貨の価格上昇です。
バーンした仮想通貨は市場に流通することがなく、今後売られることがありません。売り圧の減少につながるため、仮想通貨の価格が上昇しやすくなります。
仮想通貨の新規発行量と比較してバーン量が上回っていた場合、仮想通貨の供給量は減っていくため、将来的な価格上昇が常に期待されます。
こ新規発行量をバーン量が上回っている仮想通貨や、新規発行が全て済んでいる中でバーンの仕組みがある仮想通貨は、将来的にどんどん流通量が減る「デフレ資産」と呼ばれます。(Deflationary asset)
デフレ資産は値上げ期待が大きく、投資先として人気銘柄になりやすいです。
バイナンス発行の仮想通貨BNBは、その代表です。
仮想通貨のバーンのデメリットはガス代増
仮想通貨のバーンのデメリットはガス代の増加です。
例えばイーサリアムなど、ブロックチェーン上で取引を行うときに支払うガス代の一部が自動的にバーンされる仕組みになっているものがあります。
このとき、私たちはバーンされるガス代分の仮想通貨を事前に購入する必要があるということです。
単純に私たちブロックチェーン利用者の支出が増えることになります。
もちろん仮想通貨の価格上昇のメリットはありますが、仮想通貨自体を投資先の資産として所有していた場合の話です。
しかし、このデメリットも「ブロックチェーン」の健全性を保つためには重要です。
ガス代の設定により、次のことを防げます。
- ネットワークに対する攻撃
- 無限ループの計算作業(偶然の事故)
- 過剰な計算作業(偶然の事故)
適切な利用料を設けないと、健全な環境が維持されません。
仮想通貨ETH(イーサリアム)のバーン
ここの内容は、2022年9月15日に実施されたイーサリアムの大型アップデート「The Merge」後の内容です。
参考文献
- https://ethereum.org/ja/upgrades/merge/
- https://ethereum.org/ja/developers/docs/gas/
- https://ultrasound.money/
イーサリアムのバーンの仕組み
仮想通貨イーサリアムには、支払った「ガス代」の一部がバーンされる仕組みがあります。
イーサリアムのガス代は次の2つから構成されています。
- 基本手数料(base fee)
- 優先手数料(priority fee)
優先手数料は、自分で自由に設定できるガス代です。優先手数料は全額がイーサリアムの取引の承認を行っている「バリデーター」と呼ばれる人・団体の報酬になります。
Priority feeが高ければ高いほどバリデーターは多く報酬を貰えるので、早く承認したくなる訳ですね。
基本手数料(base fee)が全てバーンされ、市場流通から永久に除かれる分です。
基本手数料は取引量が多くなればなるほど増えていく仕組みとなっており、イーサリアムのガス代が高いと感じる主な原因はこの基本手数料です。
取引量が多くなればなるほど基本手数料は増えていくため、バーンされる量も増えることになります。
イーサリアムのバーンのメリット
イーサリアムのバーンのメリットは、イーサリアムの価格の上昇です。
バーンされたイーサリアムは市場流通から永久に除去され、売り圧になりません。
特に新規発行量と比較してバーン量が上回っていた場合、仮想通貨の供給量は減っていくため、将来的な価格の上昇も期待される状況になります。
イーサリアムは以下の状況が重なり、2022年9月以降はバーンされるイーサリアムの量を供給量が上回っており、イーサリアムが流通量がどんどん減っていくデフレ資産になってきていることが分かっています。
- The Mergeによるメカニズムの変更
- NFT取引の増加
2022年9月15日のThe Mergeで、イーサリアムの取引の承認方法は、Proof of WorkからProof of Stakeとなりました。
承認作業にコストが掛からなくなったため、イーサリアムの取引承認者(バリデーター)に与えられる1日あたりの報酬量は13000ETH分減り、1600ETHのみで十分になりました。
ETHの新規発行量が大きく減ったことになります。
また、2022年からNFTの取引が増加しており、これに伴ってイーサリアムのバーン量も増加しています。
2023年2月23日には、1日のイーサリアムのバーン量ランキングで上位3位のうち、1位と3位にNFTマーケットが食い込んでおり、大手分散型取引所「Uniswap」を上回っている状況です。
NFTの登場でイーサリアムの需要は大きく増加しました。
仮想通貨BNB(バイナンスコイン)のバーン
仮想通貨BNB(旧バイナンスコイン)は、世界最大の海外取引所バイナンスが発行している仮想通貨です。
通貨名称 | Build and Build |
シンボル | BNB |
発行上限 | 2億枚(全て流通済み) |
主な取扱取引所 | Bybit・MEXC・Bitget |
仮想通貨BNBは、2つの方法でバーンされます。
- Real-Time Burn(リアルタイムバーン)
- Quartely Auto-Burn(四半期自動バーン)
仮想通貨BNBのバーンについては、下の記事で詳しく解説しています。
仮想通貨のバーン=価格が上がるは少し誤り
仮想通貨のバーンは、基本的に相場にポジティブな影響を与えます。
公式運営が「バーンを行いました」という告知が行われると、仮想通貨の価格がこれから上がる!という期待を持つ方が多いでしょう。
しかし、ガス代の一部がバーンされる仕組みは、バーンした時点で仮想通貨の価格に影響がある訳ではありません。
バーンの仕組みが導入されてから、買い圧が増えて売り圧が減っているというイメージが正しいです。
例えば、バーンされる分のガス代は利用者が余分に買うことになり、その時点で買い圧が発生します。
公式運営が行う「バーンの実行」は既に買われたバーン分の仮想通貨をバーンアドレスに移動させているだけです。
従って、バーンの実行によって仮想通貨の価格が動くことは基本的にありません。バーンは点で起きているというより、線で起きている買い圧増加・売り圧低下の仕組みです。
従って、大型バーンの実行前に、仮想通貨を仕込む意味はあまりないと言えます。
バーンが最も仮想通貨の価格に影響を与えるとしたら、バーンの仕組みを導入することが新しく発表された時です。
ブロックチェーンを利用するために、今後余分に仮想通貨が買われていく可能性があり、買い圧が強まるからです。
効果のないバーンもあるので注意しよう
基本的にバーンには意味がある
仮想通貨のバーンというのは相場にポジティブな影響を与えます。
これまでご紹介してきたように、市場に供給される量が減っていき、仮想通貨の希少性が高まり価格の上昇に繋がる仕組みになっているからです。
従って、運営がバーンを行ったというアナウンスは基本的にはポジティブなニュースです。
本記事で紹介したようなバイナンスの「Quarterly Auto-Burn」が行われたことが公式から発表されると、勿論多くのいいねが付きます。
運営が計画通りにバーンを実行していることが分かり、供給量が減ることによる上昇圧力が期待されるからです。
意味がないバーンの例
バーンは既に総供給枚数が全て発行済みとなっているケースでは有効ですが、新規発行途中の仮想通貨では意味がないケースもあります。
例えば、NFTゲーム「MyRichFarm」が公表したバーンの概要は「引き出した仮想通貨の0.5%分がバーンプールに貯まっていき、定期的にバーンされます」というものでした。
稼いだ仮想通貨RCHから5%が差し引かれると期待されましたが、実際は差し引かれておらず、引き出した量の5%分が追加で新規発行され、バーンプールに貯まっていました。
12,060RCH引き出した際の例を挙げると、0.5%の60.3RCHが追加で新規発行されバーン用のプールに計上されます。
そして、そのバーン用のプールがある程度貯まるとバーンされる仕組みです。
これまで市場に流通する予定のなかった仮想通貨を新規で発行し、それをそのままバーンしているだけなので、RCHの供給枚数の減少には貢献していません。
しかし、運営が「バーンをしました」とアナウンスすると、上昇圧力の期待によりSNS上では盛り上がりを見せます。
仮想通貨のバーンは既に市場に流通している仮想通貨が流通不可になることが前提で、新規発行が続いている場合は供給枚数が減るとは限らないので、過度に期待し過ぎないようにしましょう。
仮想通貨に関する注意喚起
仮想通貨に関する法令・注意喚起について知りたい方は、以下の関連ページを一読することをオススメします。
消費者庁の「投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について」のYoutube視聴もおすすめです。
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