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この記事から分かること
- 仮想通貨のガス代とは
- 仮想通貨のガス代の仕組み
- 仮想通貨のガス代を安くする方法
ブロックチェーン上で仮想通貨の取引するときは、「ガス代」と呼ばれる手数料を支払う必要があります。
管理者がいないブロックチェーンでは取引承認者である「バリデーター」に手数料を払って取引を処理してもらったり、利用に手数料を設けることで悪意のある攻撃を防いだりする必要があるからです。
各ブロックチェーンはそれぞれ取引承認作業に掛かる負荷が異なるため、バリデーターに支払う仮想通貨のガス代額も変わります。
以下は、各ブロックチェーンでガス代として支払う仮想通貨と金額の比較表です。
ブロックチェーン | 支払通貨 | ガス代目安 |
---|---|---|
Bitcoin | BTC | 約千円 |
Ethereum | ETH | 数百円 |
XRP Ledger | XRP | 数円 |
Polygon | MATIC | 数円 |
BNB Smart Chain | BNB | 数十円 |
Solana | SOL | 数円 |
Avalanche | AVAX | 数円 |
Arbitrum | ETH | 数円 |
Optimism | ETH | 数円 |
※上表のガス代はあくまで目安です。取引の種類・ネットワークの混雑度合い等によって多少前後します。
上表作成に使用したデータはこちら
ブロックチェーン | 参考サイト |
---|---|
Bitcoin | Bitcoin Avg. Transaction Fee |
Ethereum | Cryptoeur.xyz |
XRP Ledger | XRP Avg. Transaction Fee |
Polygon | Cryptoeur.xyz |
BNB Smart Chain | Cryptoeur.xyz |
Solana | Solana Compass |
Avalanche | Cryptoeur.xyz |
Arbitrum | Cryptoeur.xyz |
Optimism | Cryptoeur.xyz |
特にビットコインやイーサリアムは処理能力が高くなく、多額のガス代が掛かるため、なるべく支払いを抑える工夫が必要です。
この記事を最後まで読むことで、仮想通貨のガス代の金額と仕組みが分かり、ガス代を安く抑える方法が分かります。
※当メディアでは、金融庁の「暗号資産交換業者登録一覧」で認可を受けており、「関東財務局」に登録されている仮想通貨取引所の利用を推奨しています。また、当メディアの「仮想通貨」は「暗号資産」のことを指します。
暗号資産に関する注意事項は、金融庁・消費者庁・警察庁による「暗号資産の利用者のみなさまへ」を是非ご覧ください。
仮想通貨送金のガス代が高い時の対処法
仮想通貨の送金で掛かるガス代は、少しの工夫で無料にできます。
EthereumやBitcoinは特に仮想通貨送金にかかるガス代が高いので、無料にすることが大切です。
仮想通貨のガス代(手数料)は、自分でブロックチェーン上で送金を行ったり、送金手数料が有料の取引所で送金を行ったりする場合に発生します。
一方、送金手数料が無料でガス代を代わりに負担してもらえる取引所を利用すればガス代が一切発生しません。
したがって、取引所やウォレットに仮想通貨を入金したいときは、次の送金手数料が国内取引所を利用しましょう。
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仮想通貨のガス代の計算の仕組み
仮想通貨のガス代の計算の仕組みは各ブロックチェーン毎に異なりますが、本記事では代表的なEthereum Networkのガス代ETHを例に挙げて、ガス代計算の仕組みをご紹介します。
以下の内容の参考文献
ethereum.org “GAS AND FEES“
ethereum.org “Network fees“
仮想通貨のガス代は、取引を実行する時の次の3つ要素で計算されます。
- 基本料金(Base fee)
- 優先手数料(Priority fee)
- 使用ガス単位(Units of gas used)
「使用ガス単位×(基本料金+優先手数料)」でガス代の金額は計算します。
※gweiは10億の1の意味が含まれるため、ガス代計算時は10億分の1を掛ける。
車で例えると、ガソリン量(リットル)×ガソリン代(円/リットル)でガソリンの金額が計算されるイメージです。
計算要素①:基本料金(Base fee)
仮想通貨のガス代の計算要素の1つ目は「基本料金」です。
仮想通貨の取引は「ブロック」と呼ばれる箱に収まる範囲でまとめて「バリデーター」が承認作業を行います。
この各ブロックに「基本料金」が設定されており、通常時は固定の単価が設定されていますが、混雑時は取引の発生を抑えるためにこの基本料金が上がる仕組みになっています。
具体的には、ブロックが基準取引量を超えると次のブロックの基本料金が高くなり、取引が抑制されます。
後述の優先手数料も含め、単位は「gwei」で表されます。
※gweiは「giga wei」の略で「0.000000001(10億分の1)」を意味する。weiの由来はビットコイン開発に影響を与えたとされるWei Dai氏。
イーサリアムのガス代は高すぎると感じることが多いです。これはイーサリアムは処理能力が高くないですが、人気で取引需要が高いことが原因です。
ちなみに、基本料金部分で支払われた手数料は「バーン(Burn)」と呼ばれる処理で市場から完全に取り除かれ、イーサリアムの希少性維持に貢献します。
計算要素②:優先手数料(Priority fee)
仮想通貨のガス代の計算要素の2つ目は「優先手数料」です。
仮想通貨のガス代は自分で支払う金額を「優先手数料(チップ)」によって調節でき、支払額によっては「バリデーター」が優先的に処理を行うため承認までの時間が早まります。
通常時は特に自分でマニュアルで優先手数料部分を変更する必要はありませんが、混雑時に早く処理してもらいたい場合は、優先手数料を多く支払う必要があります。
優先手数料は全て取引を承認する「バリデーター」の報酬となります。
計算要素③:使用ガス単位
仮想通貨のガス代の計算要素の3つ目は「使用ガス単位」です。
仮想通貨は「送金」「スワップ」といった各取引の種類毎に「使用ガス単位」が存在し、これが料金に掛け合わされる「ガス量」に相当します。
例えば仮想通貨ETHをEthereum Networkで送金する場合、「21000」のガス量が発生します。
ETHの送金は資産を移動するだけのシンプルな取引のため「21000」で済みますが、他の複雑なスマートコントラクトを実行する取引では多くのガス量が必要です。
以下は、各取引で最大発生する可能性があるガス量を示す「ガスリミット」をまとめた表です。
項目 | ガスリミット |
---|---|
スワップ(ユニスワップ) | 184,523 |
スワップ(スシスワップ) | 141,225 |
スワップ(Curve) | 183,758 |
スワップ(1inch) | 141,905 |
送金(仮想通貨) | 65,000 |
送金(NFT) | 84,904 |
売却(OpenSea) | 71,645 |
例えば分散型取引所でのスワップは処理が煩雑になりやすく、資産を移動するだけの送金処理と比べてガス量が多くなります。
【補足】使用ガス単位とガスリミットの関係
取引を注文する際は「使用ガス単位」ではなく、使用するガス量の限度額を決める「ガスリミット」が自動で設定されます。
このガスリミットのうち、実際にガス量として消費される分が「使用ガス単位」となります。
実際にガス代として支払われる分は「使用ガス単位」分となるため、このガスリミットを調節しても節約にはならず、取引が失敗する原因になるので注意しましょう。
ここまで紹介した3つの要素で、仮想通貨のガス代は計算されます。
仮想通貨のガス代を安く抑える方法
仮想通貨のガス代を安く抑える方法は、次の3つです。
①Ethereum等の利用を避ける
仮想通貨のガス代を安く1つ目の方法は、そもそもガス代が高いブロックチェーンを利用しないことです。
BitcoinとEthereumは処理能力が高くないですが人気なので、ガス代が高くなります。
こういったブロックチェーンはなるべく利用しないようにしましょう。
どうしても利用する場合は「GMOコイン」等の仮想通貨の送金手数料が完全無料で、ガス代を全て肩代わりしてくれる国内取引所を選ぶべきです。
その他の国内取引所から海外取引所等に送金する場合は、仮想通貨XRPの「XRP Ledger」など送金能力に優れそもそも手数料がほとんど発生しない方法を選ぶとお得です。
②取引が少ない時間帯を狙う
仮想通貨のガス代を安く2つ目の方法は、世界的に取引量が少ない時間帯を狙って取引を行うことです。
一般的には、取引が活発な北米が夜の間が取引量が落ち着きやすいとされます。(日本時間AM0時からAM8時など)
従って、この時間帯を狙って取引を行えば仮想通貨の手数料を安くできる可能性が高いです。
また、空いている時間を狙う場合は「ヒートマップ」を活用すると効率が良いです。
以下はEthereum Networkのヒートマップで、直近の1週間で色が薄い時間帯は取引量が少なくガス代が安かったことが視覚的に分かります。(時刻はUTC表記)
③優先手数料を調節する
仮想通貨のガス代を安く3つ目の方法は、優先手数料を調節することです。
初期設定では「バリデーター」に支払う優先手数料は標準値である「市場」で設定されているため、少し安めの「低」に変えることで支払うガス代を少なくできます。
高度な設定に進めば、自由に優先手数料を入力することもできます。
しかし、下げ過ぎると取引処理が遅れたり、処理が行われず失敗したりすることであるので、下げ過ぎには注意が必要です。
仮想通貨のガス代に関するFAQ
現在の仮想通貨のガス代を知る方法は?
現在のリアルタイムのガス代の目安は「Cryptoneur.xyz」を利用すると、様々なチェーンを一画面で確認できるので便利です。
取引タイプ(Transaction Type)を目的の種別に設定するとガス量が自動で設定され、現在のガス代価格の目安が表示されます。
ガス代が安いブロックチェーンはどこ?
国内取引所からの送金であれば、仮想通貨XRPが対応する「XRP Ledger」の手数料が安いです。
数円の手数料で他の取引所に送金できます。
その他、様々なネットワークに対応する「ビットバンク」であれば、「Arbitrum One」や「Optimism」といった手数料が数円しか掛からないネットワークを複数利用できます。
ガス代が安い仮想通貨はなに?
仮想通貨ETHでも「Ethereum Network」を利用しても送金すればガス代は高くなり、その他の「Arbitrum One」や「Optimism」を利用すればガス代は安くなります。
Ethereum Networkで利用される仮想通貨間でガス代の金額が大きく変わることはなく、どれも高いです。
例外として仮想通貨ETHの送金より、他のEthereum上の仮想通貨(ERC-20)の送金の方がガス量が高いため、ガス代が高くなります。
まとめ:高額なガス代の支払いは避けよう
本記事では、仮想通貨のガス代の計算の仕組みと安くする方法をご紹介してきました。
仮想通貨のガス代を抑える方法は様々ありますが、一番効果的なのは送金手数料が無料の取引所を利用することです。
おすすめは、送金手数料が無料に加えて主要銘柄の取引手数料も0.05%と安く、初心者にも使いやすい「GMOコイン」です。
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第1回:ビットコインってそもそも何?
第2回:ブロックチェーンって何?
第3回:仮想通貨のバリデーターとは?
第4回:仮想通貨を実際に買ってみよう
第5回:ビットコイン以外も知ろう
第6回:仮想通貨ウォレットって何?
第7回:仮想通貨の手数料ガス代とは(今ここ)
第8回:分散型取引所で投資してみよう
第9回:色々な仮想通貨取引所を知ろう
第10回:仮想通貨の運用に挑戦しよう
仮想通貨に関する注意喚起
仮想通貨に関する法令・注意喚起について知りたい方は、以下の関連ページを一読することをオススメします。
消費者庁の「投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について」のYoutube視聴もおすすめです。
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