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この記事から分かること
- ストックフローモデルとは
- ストックフローモデルの信憑性
- ストックフローモデルはETHに使えるか
※本記事へのコメント・質問等は私のX(旧ツイッター)にDMで送っていただいても大丈夫です。丁寧に回答させていただきます。
ビットコインで最も有名な価格予想モデルの1つは、「ストック・トゥ・フローモデル(S2Fモデル)」です。
※以下ストックフローモデルと表記
著名なインフルエンサーであるPlanB氏(@100trillionUSD)により、過去のデータと統計学によってビットコインの予想価格が算出されており、2025年には1枚あたり1億円に到達することを示しています。
現在のビットコインの価格は、ストックフローモデルに対して次のように推移しています。(2024年6月時点)
ストックフローモデルの約14万ドル/BTCに対し、現在のBTC価格は約7万ドル/BTCとなっているため、約半値で推移していることが分かります。
現時点では「乖離が大きい」というのが結論です。
本記事を最後まで読むことで、S2Fモデルの「1BTC=1億円」の価格予想の根拠と信憑性が分かります。
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ストックフローモデルとはBTCの価格予想
ストックフローモデルは、想通貨界隈で有名なクリプトインフルエンサーであるPlanB氏(@100trillionUSD)が2019年の3月にMedium上で公表しました。
過去のデータと統計学によってビットコインの予想価格をしており、2025年には1枚あたり1億円に到達することを示しました。
▶Modeling Bitcoin Value with Scarcity(こちらから原文を確認できます)
Mediumのタイトルを日本語訳すると「希少性に基づくビットコインの価格モデル」となります。
最も有名なビットコインの価格予想モデルとして様々なメディアで取り上げられており、現在でもビットコインの将来価格予想としてしばしば見聞きするものです。
ビットコインのストックフローモデル解説
ビットコインのストックフローモデルの予想内容を深堀りしていきます。
S2Fモデルは元々金の価格予想モデル
ストックフローモデルは元々、金(Gold)や銀(Silver)といった希少性の高い鉱物資源の将来価格予想で使用される計算モデルです。
ストックフローモデルでは、以下のSF(ストックフロー)と呼ばれる値を計算して価格を予想します。
SF=流通している総量(ストック)÷ 年間の発掘総量(フロー)
式の意味は「現在流通している総量を今から発掘すると何年掛かるか」です。
例えば、年間の発掘総量が少ないほどSFの値は大きくなり、今流通している分が貴重であることを示します。
以下は各鉱物資源のSFを計算した表になります。
例えば、一番上のgoldのSFは「185,000÷3,000=62」です。
そして、このSFの順にMarket Value(時価総額)の金額は大きくなっていることが分かります。
あまり発掘されないってことはそれだけ貴重ってことだよね。だから、時価総額とも相関があるんだね。
S2Fモデルのビットコインへの応用
金(ゴールド)は地球上に存在している量が限られた鉱物資源であり、その限られた資源を人は発掘しています。
これはビットコインも同じです。
同様にビットコインも、最大の供給枚数は2100万枚と決まっています。
ビットコインのブロックチェーン上の取引承認の仕組み「プルーフオブワーク」でマイナーとして取引を処理することで、報酬としてビットコインが発行されます。
PlanB氏は金や銀とビットコインが本質的に同じであると考え、ストックフローモデルをビットコインに応用しました。
下のグラフは縦軸が時価総額、横軸がSFの値です。
赤・黄・緑・青の小さい丸はビットコインは過去のビットコインのSFとその時の時価総額をプロットしたもので、大きい灰色の丸は銀、大きい黄色の丸は金の最新の時価総額とSFをプロットしたものです。
ビットコインのSF値は時間と共に増えるので、横軸は時間軸だと思っていただいても大丈夫です。
ビットコインには4年毎に新規発行報酬が半分になる「半減期」と呼ばれる仕組みがあり、時間経過で年間の発掘枚数が減っていくからです。
従って、時価総額とSFでプロットすると、時間経過で時価総額が右肩上がりになることが分かります。
基本的には流通している総量が少しずつ増えていきSFは緩やかに上昇していきますが、半減期のタイミングの発掘総量が半分になるため、SFの値はそのタイミングで2倍になります。
確かに金・銀を合わせて考えても上手く右肩上がりになってるね。
ビットコインのプロット結果と銀・金のプロット結果が、画像のように右肩上がりの直線の周りに点が集まりました。
ここで、伝統的な統計学の分析手法である「回帰分析」を利用し、時価総額はSFを変数とする式で表せるか調べた結果、十分信頼できる確度で成り立つことが分かりました。
つまり、ビットコインの時価総額・将来価格はSFの値を変数とする式を使って予測することができるという訳です。
下がPlanB氏が実際に作成したストックフローモデルによるビットコインの将来の価格推移で、2025年に70万ドル(約1億円)に到達する予測になっています。
ビットコインにそれだけの資金が集まる?
仮にビットコインの価格が将来的に1枚=1億円になった場合、総供給枚数が2100万枚なので、約2100兆円もの時価総額になることを意味します。
金(ゴールド)の時価総額は約1000兆円なので、2倍の規模です。
PlanB氏はこれだけの資金がビットコインに集まる理由として、以下の4つが考えられる述べています
- 各国が実施しているマイナス金利政策の影響
- 独裁政権を敷く国家
- 量的緩和に対するリスクヘッジ
- 機関投資家の需要
People ask me where all the money needed for $1trn bitcoin market value would come from? My answer: silver, gold, countries with negative interest rate (Europe, Japan, US soon), countries with predatory governments (Venezuela, China, Iran, Turkey etc), billionaires and millionaires hedging against quantitative easing (QE), and institutional investors discovering the best performing asset of last 10 yrs.
Modeling Bitcoin Value with Scarcity(Plan B)
上記の原文の私の解釈は以下に載せています。
①各国が実施しているマイナス金利政策の影響
日本でも行われ続けているようなマイナス金利政策のもとでは、マイナス金利が導入された資産は持っていると逆に利子を払う必要があります。
日本でいえば金融機関が日銀に預けている資金にマイナス金利が導入されると、金融機関は企業への貸し出し等に資金を回すようになっています。
日本の例で考えると直接ビットコインの投資が増えるような状況がイメージできませんが、マイナス金利が導入されればされるほど、他の投資先としてビットコインが検討されやすくなる可能性があります。
②独裁政権を敷く国家
ベネズエラ等の国家への信頼がない国の場合は、発行される法定通貨への信頼もないため、必然的に仮想通貨への関心が高まります。
③量的緩和に対するリスクヘッジ
量的緩和政策で利下げを行い企業がお金を借りやすいようにすると、法定通貨の価値が下がっていきます。
運用してより利益の出る利子が高い国の法定通貨の方が買われやすいので、利子が低い国が通貨が売られ、利子が高い方の国の通貨を買う動きが働くからです。
例えばアメリカで量的緩和が行われ、世界の基軸通貨である米ドルの価値が下がっていくと、リスクヘッジとしてゴールドやビットコインが買われやすくなります。
④機関投資家の需要
④についても明確に説明はされていませんでしたが、①~③の理由やそもそものビットコインのテクノロジーに対する期待で買われるという解釈ができます。
ストックフローモデル(S2F)の信憑性
PlanB氏が似通っている資産として挙げている金(Gold)の価格は、本当にSF(ストックフロー)の値と相関があるのでしょうか。
下のグラフは年間のゴールドの採掘量の推移を表しており、採掘量は増加傾向にあることが分かります。
下のグラフは金のストック量の推移を表しており、年間の採掘量分ずつ増えいていきます。
上の2つのグラフより「ストック量÷年間の採掘量」で以下のようなSFのグラフが作成され、年間の採掘量が増えていることにより、SFのグラフは下落トレンドとなっています。
この結果からすると、ストックフローモデルによりゴールドの価格は長期的に見て下落トレンドになってくるはずですが、実際の価格はそうはなっていません。
多く発掘できるようになってるから、希少性が下がって価格が下がるトレンドになっていてもおかしくはないね。
実際はゴールドの価格には、様々な要因が複雑に影響しています。
例えば、金(ゴールド)については米ドルの需要と逆相関があることが分かっています。
世界の基軸通貨である米ドルが売られて安くなっている時はリスクヘッジとして代わりにゴールドが買われるようになり、逆に米ドルが買われて高くなっている時はゴールドが売られるようになるからです。
これはゴールドの流通量と採掘量といった供給側のみの影響だけでなく、需要の側面がゴールドの価格に影響していることを意味します。
確かにストックフローモデルは供給側の話しかしてないね。
1つのモデルとしては成立していますが、実際には色々な要素が複雑に影響しているので注意しましょう。
ストックフローモデルとイーサリアム
仮想通貨イーサリアムにストックフローモデルは適用できるのでしょうか。
ETHは発行上限なし&年間供給量変動
ストックフローモデルは以下の計算式でストックフロー(SF)を求めて応用する価格予測モデルです。
SF=流通している総量(ストック)÷ 年間の発掘総量(フロー)
ビットコインは、流通している総量と年間の発掘量が将来にかけて全て決まっているのでSFを計算できます。
ビットコインのブロックチェーンでは、約10分間毎に1つのブロックが承認され、承認作業の報酬であるビットコイン(新規発行)の枚数も決まっているからです。
半減期 | 年 | ブロック報酬 |
---|---|---|
Genesis | 2009年1月 | 50BTC |
1回目 | 2012年11月 | 25BTC |
2回目 | 2016年7月 | 12.5BTC |
3回目 | 2020年5月 | 6.25BTC |
4回目 | 2024年4月 | 3.125BTC |
年間の発掘量が決まっているので、流通する総量も決まっています。
一方、イーサリアムはストックとフローが年々変化するため、SFの計算ができません。
ストックの変化
ストックについては、イーサリアムは「ガス代」のバーンと呼ばれる仕組みにより不規則に変わります。
イーサリアムでガス代を支払うと、支払ったガス代の一部がバーンという形で流通から完全に取り除かれます。
また、手数料の支払いの多い少ないはイーサリアムを使った取引の需要に左右されます。
フローの変化
フローについては、イーサリアムのアップデートにより変わることがあります。
ビットコイン以外のアルトコインは、課題を解決するために大型のアップデートが行われることが多いです。
例えば、イーサリアムは2022年9月15日に大型のアップデート「The Merge」が行われ、ブロックチェーンの仕組みそのものが改修され、1日あたりの報酬量が13000ETHから1600ETHまで減りました。
このように、フローが変化してしまうとSFの計算ができません。
S2Fモデルはイーサリアムに適用不可
このように、イーサリアムはストックとフローがイーサリアムの取引の需要やアップデート時期や内容によって変化してしまうため、将来に渡ってSFを計算できません。
現時点のSFで計算しても意味がないという結果になります。
まとめ:S2Fモデルは投資の判断材料の1つ
PlanB氏のストックフローモデルに従うと、ビットコインの価格が2025年に1億円に到達することになります。
しかし、あくまでもビットコインの供給サイドから考えた価格予想に過ぎず、実際は多くの要素が複雑に絡み合って価格が決定されます。
投資判断の参考材料の1つとして捉えておきましょう。
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第1回:ビットコインってそもそも何?
第2回:今から始めても遅くないの?
第3回:仮想通貨のリスクを知ろう
第4回:仮想通貨を実際に買ってみよう
第5回:ビットコイン以外も知ろう
第6回:仮想通貨ウォレットって何?
第7回:仮想通貨の手数料ガス代とは
第8回:分散型取引所で投資してみよう
第9回:色々な仮想通貨取引所を知ろう
第10回:仮想通貨の運用に挑戦しよう
仮想通貨に関する注意喚起
仮想通貨に関する法令・注意喚起について知りたい方は、以下の関連ページを一読することをオススメします。
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