この記事から分かること
- EigenLayerとは
- リステーキングの仕組み
- リステーキングの仕組みのやり方
※本記事へのコメント・質問等は私のX(旧ツイッター)にDMで送っていただいても大丈夫です。丁寧に回答させていただきます。
EigenLayer(アイゲンレイヤー)とは

EigenLayerの仕組み
EigenLayerとは、Ethereum上に構築されたリステーキングプロトコルで、ステーキング済みのETH等を再度ステーキング(リステーキング)してセキュリティを他のサービスに使い回せるようにします。

分散型アプリケーション(DApps)やレイヤー2ブロックチェーンの開発において必要になるのが、以下のような処理が正しいことを透明性・信頼性のある形式で検証することです。
- 外部の価格データの取り込み
- L2におけるロールアップの検証や保存
- L2における取引順序の決定
- クロスチェーンブリッジにおける検証
原則は各アプリケーション・ブロックチェーンで仮想通貨をステーキングして上記の内容を検証するバリデーターを集め、不正行為による没収を回避して報酬を獲得するインセンティブを設計する必要があります。
さとうしかし、各プロジェクトが独自にこの仕組みをゼロから構築するリソースを割くのは難しいという問題があります。
そこで利用するのが「EigenLayer」等のリステーキングプロトコルです。
EigenLayerは主に既にステーキングされている仮想通貨ETH(ETHのリキッドステーキングトークン等)をさらにステーキングする仕組みを導入し、独自のセキュリティを提供しています。


EigenLayerの主な3つの構成要素
EigenLayerの仕組みは主に次の3つの参加者で成立しています。
- AVSとその開発者
- AVSを動かすオペレーター
- 仮想通貨リステーカー(委任)
AVS(Actively Validated Services)
AVS(Actively Validated Services)は、DAppsやブロックチェーンの課題を解決するために開発され、EigenLayerに登録された様々なサービスの総称です。
※Autonomous Verifiable Servicesとも呼ばれます。EigenLayerではこちらの表現を利用する場合が多いです。Actively Validated Servicesは「オペレーターが検証を行う対象のサービス」としてAVSを捉えている一方、Autonomous Verifiable Serviceは「自律的かつ検証可能なサービス」という意味合いです。ほぼ違いはありません。



仮想通貨をリステーキングしている(または委任されている)後述のオペレーターがこのAVSの検証をこなします。


例えばAVSの一つである「AltlayerのMACH」は、ロールアップの状態の有効性を高速で検証できます。


AVSを利用するDApps等は報酬をAVSに払っており、その報酬が最終的に私たちリステーカーまで回ってきています。
AVSを動かすオペレーター
EigenLayerに登録されたAVSは、EigenLayerに登録されたAVSオペレーターがタスクをこなし検証を行います。資産のリステーキング先はAVS自体ではなくこのオペレーターです。
多くのオペレーターが主要なブロックチェーンで既にバリデーターを担当している有名な企業です。



各企業の余剰の計算処理能力がEigenLayerのAVSのタスク処理に回されているイメージです。


AVSオペレーター自身がリステーキングが行う場合もありますが、多くのオペレーターは後述のリステーカーから仮想通貨を委任される形でAVSで検証を行っています。
「正しく検証して報酬を得るメリット>不正を行うメリット」の関係が常に成立しており、オペレーターがAVSのルールを破ることは原則ない構造になっています。
リステーカー(委任)
私たち「リステーカー」は追加の利回りを得るために、EigenLayer上で仮想通貨をリステーキングした上で、希望のオペレーターに仮想通貨を委任できます。


ちなみに、価値が安定した主要な仮想通貨であれば「正しい検証>不正を働くメリット」が成立するため、ETHのLST以外でも多くの銘柄がオペレーターへの預け入れに対応しています。
ステーキング済みのリキッドステーキングトークン(LST)の「リステーキング」である必要もなく、実質的にはただのステーキングもできます。



しかし、利回りの二重取りの観点ではやはりLSTの「リステーキング」に魅力があるため、LSTが預け入れ量が最も多いです。
EigenLayerのリステーキングリスク
EigenLayer(アイゲンレイヤー)のリステーキングリスクは主に次の3点です。
- 各AVS設定のスラッシングリスク
- リステーキング解除の待期期間
- スマートコントラクトリスク
各AVSには独自にスラッシング条件が設定されており、ルールを破るとオペレーターのリステーキング資産は没収(バーンまたは分配)されます。
一般的に各オペレーターは複数のAVSの検証を担当しており、各オペレーターは自身のリステーキング資産のAVSへの配分を決めています。
配分割合が多いとそのAVSからの報酬量・スラッシングリスクが高まる仕組みです。



スラッシングと聞くと委任する側からしても不安ですが、実際にはリスクになり過ぎない絶妙なバランスになっています。
リスクが高すぎるとリステーカーとAVSの検証に参加するオペレーターがいなくなってしまうからです。
悪意ではないルール違反であれば、微小のスラッシングしか行われないのが一般的です。
「イーサリアムのスラッシングリスク」の解説記事を見ればイメージが湧くと思います。


リステーキングのリスク・リワードのバランス意識したい場合は、後述の「リキッドリステーキングプロトコル」を経由するのがおすすめです。
各リステーキングプロトコル側でリスク・リワードのバランスを厳選した提携オペレーター、対象AVSに仮想通貨をリステーキングできます。
リキッドリステーキングプロトコルとは


リキッドリステーキングの仕組み
多くのリステーカーは直接EigenLayer公式サイトからEigenLayer登録のAVSオペレーターにリステーキングしている訳ではなく、「KelpDAO」等のリキッドステーキングリステーキングプロトコルから行っています。


リキッドリステーキングプロトコルで仮想通貨をステーキングすると、代わりにEigenLayerのAVSオペレーターに仮想通貨の委任を行われると同時にリキッドリステーキングトークン(LRT)が発行されます。
「リキッドステーキング」のリステーキングバージョンです。


各リキッドリステーキングプロトコルには提携AVSオペレーターが存在し、リスクリワードを厳選した検証対象のAVSリストを用意しています。
従って、リキッドリステーキングプロトコル(LRP)にリステーキングすることは、各LRP特有の提携オペレーター・AVSのポートフォリオに分散投資することを意味します。



例えばKelpDAOは以下のポートフォリオです。


リキッドリステーキングのメリット
例えばKelpDAOでリステーキングして発行されたリキッドリステーキングトークンrsETHは、Aaveでレンディングを行ったり、DEXで流動性マイニングを行ったりできます。





例えばリキッドリステーキングプロトコルでETHのLST(stETH)を預け入れると、次の3つの報酬を3重取りできることになります。
- ETHステーキングのネイティブ報酬
- EigenLayerのAVS報酬
- LRTのDeFi運用報酬
リキッドリステーキングのリスク
stETH等のリキッドステーキングトークンをリステーキングし、LRTのDeFi運用まで全て行うと、リスクが3重に発生する点には注意が必要です。
リキッドステーキングプロトコル・EigenLayerのAVS・運用先のDeFi、いずれか一つで何らかの重大なトラブルが生じた場合、大きな損失が発生する可能性があります。
仮想通貨ETHをリステーキングする方法


仮想通貨ETH・stETH等のLSTをリステーキングする方法は次の2つです。
- EigenLayerで直接リステーキング
- リキッドリステーキングプロトコル経由
自分で委任したい特定のAVSオペレーターがいる場合はEigenLayer、いない場合はリキッドリステーキングプロトコル経由がおすすめです。
【前提】ETHのリステーキングはあまり意味なし
LSTではないETHのリステーキングは、バリデーターを運用している人向けです。
EigenLayerを利用すると、ブロックチェーン「Ethereum」でバリデーターを作成・運用するとき、ETHをEigenLayer上で同時ステーキングできるようになります。
バリデーターが報酬としてEthereumで獲得するコンセンサス報酬や実行レイヤー報酬は、EigenLayerを通して受け取れます。
バリデーターを運用していない個人がETHをリステーキングしても本来のコンセンサス報酬や実行レイヤー報酬を獲得できません。
AVS報酬は本来のEthereumのコンセンサス報酬や実行レイヤー報酬より利回りが小さいため、ETHを預けてもらうAVS報酬はあまり意味がありません。
※この意味ではバリデーター運用を行っていない場合、仮想通貨ETHのリステーキングは実質的にただのステーキング



stETHをリステーキングすると、預けたstETHを経由してコンセンサス報酬や実行レイヤー報酬が貰えます。
リワードベアリング型のリキッドステーキングトークンであれば、LSTの価値にEthereumのコンセンサス報酬や実行レイヤー報酬が蓄積されます。
stETHのような枚数自体が自動で増えるリベース型のリキッドステーキングトークンの場合、あなたの手元(ウォレット)を離れるとLidoの公式サイト上では枚数の増加は確認できなくなります。
しかし、stETHはステーキングを行うとwstETHと呼ばれる運用専用の形式に変化(ラップ)し、リワードベアリング型の報酬反映の仕組みに変わります。
stETHをwstETHの交換レートが変わるため、リステーキングしたstETH(つまりwstETH)を返還する時、枚数が増えてstETHが戻ってくる訳です。


EigenLayerのリステーキングの場合


「EigenLayerのダッシュボード画面」の右上「Restake」より、リステーキングする仮想通貨を選択できます。


リステーキングを行ったら「Operator」に進んで、委任を希望するAVSオペレーターを選びます。


画面右上「Delegate」よりリステーキング済みの仮想通貨を選んで委任を実行しましょう。





各AVSオペレーターの担当AVSもこの画面から確認できます。
リキッドリステーキングプロトコルの場合
リキッドリステーキングプロトコルの預け入れランキングは「DefiLlama」より確認できます。


各リキッドリステーキングプロトコルの画面で、リステーキングしたいLST等を選択して預け入れましょう。



ご覧いただきありがとうございました。
本記事に関するご質問・ご感想はコメント欄か下記のお問い合わせページ・XのDMよりお送り下さい。丁寧に回答させていただきます。
メールアドレスはこちら:contact@pandacrypto.xsrv.jp

ご覧いただきありがとうございました。
本記事に関するご質問・ご感想はコメント欄か下記のお問い合わせページ・XのDMよりお送り下さい。丁寧に回答させていただきます。
メールアドレスはこちら:contact@pandacrypto.xsrv.jp
※2020年5月1日より「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されていますが、一部記事では「仮想通貨」の表記を継続する場合があります。当サイトの「仮想通貨」は「暗号資産」を指します。
仮想通貨に関する注意喚起

仮想通貨の価格は日々変動しており、保有する仮想通貨の価格が急激に下落する場合があります。購入時の価格を下回ったり、無価値になってしまうことで大きな損失が発生する恐れがあります。
仮想通貨の信用取引は、価格変動により保証金を上回る損失が発生する場合があります。
その他仮想通貨に関する注意喚起について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
| 金融庁 | 暗号資産の利用者のみなさまへ |
| 警察庁 | 暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください! |
| 消費者庁 | 投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について |
| 国税庁 | 仮想通貨の税務上の取扱い-現状と課題- |
| 政府広報オンライン | 暗号資産の「必ずもうかる」に要注意! |
| 日本暗号資産取引業協会 | 暗号資産に関するトラブルにご注意ください! |
| 国民生活センター | 暗号資産に関する消費者トラブル |






コメント