この記事から分かること
- 保留取引の原因と解決方法
- 取引失敗の原因と解決方法
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本記事の参照文献
- support.metamask “How to speed up or cancel a pending transaction“
- support.metamask “How to customize a transaction nonce“
- etherscan.com “How To “Cancel” Ethereum Pending Transactions?
メタマスクの保留取引の原因・解決方法

オンチェーン取引が保留になる原因
本記事ではメタマスクを使ってレイヤー1ブロックチェーン「イーサリアム」上で取引を実行した場合を例に解説しますが、他のウォレット・ブロックチェーンでも基本的な考え方・対応方法は同じです。
あなたが実行した取引①が保留(Pending)になる流れ・原因は次の通りです。
- あなたが取引①を送信する
- 取引①の送信直後にガス代が急騰
- 取引①はガス代が安く処理を後回し
- 取引②以降も全て処理されない
前提としてイーサリアムを含む大半のブロックチェーンでは、取引は送信順でしか処理されません。
厳密には取引にはナンス(nonce)と呼ばれる番号が0から順に付いており、このナンス順にしか処理されません。
例えばイーサリアムで取引の処理順は主に「ガス代の大小」で決まるため、あなたが取引を送信した直後にブロックチェーンが混雑してガス代が急騰すると、あなたのナンス0の取引処理は後回しにされ「保留」になります。
※ガス代の設定を下手にいじって下げたりしても後回しにされます。

あなたがこの時にナンス1以降の別の取引をいくら実行しても、ナンス0の取引が保留のため全て処理されません。
従って、あなたが最初に送信した取引(ナンス0)の処理をどうにか終える必要がある訳です。

さとうメタマスクの保留取引の解決方法は次の3つです。
待てる場合は①を、保留になった取引をすぐ実行したい場合は②を、保留になった取引の実行が不要なら③です。
保留の解決方法①:ただ待つ
ブロックチェーンのガス代の急騰は一時的なので、少し待てば取引が処理される場合があります。
例えばイーサリアムであれば1ブロック(12秒)のガス使用量が2,250万を変えるとガス代の基本手数料は1.125倍になる仕組みですが、逆に言えば2,250万を下回れば12秒間隔でガス代水準は下がっていきます。





最短で数十秒、長くても数時間待てば取引は処理されます。
ちなみにあなたの取引が処理されるまでの推定時間は、各ブロックチェーンのエクスプローラーより確認できます。
確認手順はこちら
メタマスクの場合は「アクティビティ」より保留取引を選び、「ブロックエクスプローラーで表示」を押します。


「Estimated Confirmation Duration」にあなたの取引が処理されるまでの目安が表示されます。


数時間掛かる見込みで待てない場合は、次の「スピードアップ」や「キャンセル」を検討しましょう。
保留の解決方法②:スピードアップ
保留が解消されるまで待てない、待っても解決しない場合は「スピードアップ」を行いましょう。
メタマスクを含むウォレットで「スピードアップ」の処理を行うと、保留取引とまったく同じ内容の取引を同じナンスかつガス代を上げて再送信してくれます。


上の画像の例だと、スピードアップ取引(ナンス0)が処理されると保留取引①は無効になるため、ガス代の支払いが重複することはありません。
メタマスクの「アクティビティ」より保留中の取引の「スピードアップ」を押すことで、取引を再送信できます。





基本的にはメタマスクが自動提案するもので良いですが、スピードアップ取引のガス代は保留中の取引より多くしましょう。
保留中の取引より優先手数料と最大基本手数料を10%から30%程度高くするのが基本です。
現在のガス代水準を知って正確な調整を行いたい方は、各ブロックチェーンエクスプローラー公式の「ガストラッカー」を使用しましょう。
ちなみに、現在メタマスクでは「Smart Transactions」と呼ばれる取引の処理遅延を防ぐ仕組みが導入されており、オンにしている場合は「スピードアップ」とこの後解説する「キャンセル」は行えなくなっています。
※Smart Transactionsの主な機能:信頼できる「ビルダー」にオークション形式で取引を提供することで処理遅延を抑える。
Smart Transactionsが有効になっているブロックチェーンは次の通りです。
- Ethereum Mainnet
- Linea
- Base
- Aribitrum
- BNB Smart Chain
Smart Transactionsをオフにした場合のみ「ナンス」の値を変更することができ、取引の「スピードアップ」と「キャンセル」を行えます。
Smart Transactionsをオフにする方法
メタマスクの設定からスマートトランザクションをオフにできます。


ナンスは自分で取引実行画面からカスタマイズできるので、スピードアップを行わなくても新規取引を送信するときにナンスを保留取引と同じものに書き変えても保留を解消できます。
保留の解決方法:取引キャンセル
保留取引を実行する必要がないときは「キャンセル」を行いましょう。
メタマスクを含むウォレットで「キャンセル」の処理を行うと、自分宛てに0ETHを送金する取引を同じナンスかつガス代を上げて実行します。


上の画像の例だと、0ETH送金の取引(ナンス0)が処理されると保留取引①は無効になるため、ガス代の支払いが重複することはありません。
メタマスクの「アクティビティ」より保留中の取引の「キャンセル」を押すことで、0ETH送金で保留取引を上書きできます。


メタマスクの取引失敗の原因・解決方法


大半の原因はスリッページ許容度設定
メタマスクで実行した取引が保留にもならず「失敗しました」と表示される場合、「スリッページ許容度」の設定により取引が失敗しているケースが多いです。


分散型取引所の「スリッページ」とは、あなたが注文を送信してから発生するあなた以外の取引による全ての価格変化を指し、スワップ画面の見積もりでは予測されずに発生します。
例えばスワップ見積もりを取得してから有効期限ギリギリまで確認してから実行した場合、見積もり確認中に他の人の取引が先に処理されやすくなり、実際の取引価格と見積もり価格が乖離しやすくなります。


分散型取引所ではスリッページ許容度(Slippage Tolerance)を設定でき、設定したパーセンテージ以上のスリッページが発生するスワップは自動でキャンセルされる仕組みになっています。



もし価格変動が大きい「ミームコインや草コイン」のスワップが失敗するときは、スリッページ許容度の設定を上げてみましょう。
スリッページ許容度を変更する方法
画面右上の歯車マークから「スリッページの許容範囲」を設定できます。5%~10%程度で設定すればどんな銘柄でも高い確率でスワップできます。


特に価格変動が大きい銘柄のスワップではないときは、偶然大きな価格変動が発生しただけかもしれないので、もう一度スワップを実行すれば問題ありません。
「分散型取引所のスリッページの仕組み」は、下の記事で詳しく解説しています。


まとめ:保留取引は急ぎでなければ待てばOK


メタマスクの保留取引の解決方法は次の3つです。
保留にもならず失敗する場合は、分散型取引所のスリッページ許容度設定の調節で解決することが多いです。
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本記事の参照文献
- support.metamask “How to speed up or cancel a pending transaction“
- support.metamask “How to customize a transaction nonce“
- etherscan.com “How To “Cancel” Ethereum Pending Transactions?

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| 警察庁 | 暗号資産(仮想通貨)に関するトラブルにご注意ください! |
| 消費者庁 | 投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について |
| 国税庁 | 仮想通貨の税務上の取扱い-現状と課題- |
| 政府広報オンライン | 暗号資産の「必ずもうかる」に要注意! |
| 日本暗号資産取引業協会 | 暗号資産に関するトラブルにご注意ください! |
| 国民生活センター | 暗号資産に関する消費者トラブル |






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