この記事から分かること
- メタマスクのスワップのやり方
- メタマスクのスワップの仕組み
- メタマスクのスワップの手数料
※本記事へのコメント・質問等は私のX(旧ツイッター)にDMで送っていただいても大丈夫です。丁寧に回答させていただきます。
2020年10月にリリースされたメタマスクの「スワップ」とは、メタマスク上の仮想通貨を別の仮想通貨に交換することができる機能です。
※現在は「ブリッジ」機能と統合されており、スワップ画面から銘柄を交換して同時に別のブロックチェーンに移動させることも可能です。

メタマスクのスワップ機能は、外部の分散型取引所(アグリゲーター型)またはプロのマーケットメイカー(Airswap経由等)から見積もりを一括取得し、最適なスワップ方法をあなたに提示し実行する仕組みです。
さとうメタマスクがスワップを行う訳ではなく、分散型取引所等から様々な見積もりを一括で取得して見せているだけです。


ちなみに、メタマスクの「スワップ」や「ブリッジ」機能の利用は無料だと誤解されがちですが、ウォレットの中では珍しく有料です。
メタマスクをリリースした「Consensys」は、2020年8月よりメタマスクのコードをオープンソースから専有ライセンスに変更しており、「スワップ」や「ブリッジ」の利用は0.875%の追加手数料が発生します。
0.875%の手数料は、スワップを検索・提案するソフトウェアの利用に対する支払いという扱いです。
>>参照:support.metamask.io “How are fees calculated?“
メタマスクのスワップ機能で発生する全ての手数料を比較形式でまとめると、次の通りです。
| 取引方法 | 発生する手数料の種類 | 手数料金額 |
|---|---|---|
| メタマスクスワップ | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| ③メタマスク手数料 | 0.875% | |
| 分散型取引所(直接) | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| 中央集権型取引所 | ①取引手数料 | 0.1%前後 |
仮想通貨 取引方法種別 手数料比較表
※分散型取引所のプロトコル手数料は「UniswapV3」を参照。スワップする銘柄によりプロトコル利用手数料は0.01%~1%で変動。価格変動リスクが高い銘柄のスワップほど手数料が高い。ステーブルコインが最小の0.01%。



メタマスクスワップは3つの手数料を全て支払う必要があります。
「ガス代」以外の2つの手数料はスワップ金額に対して割合(%)で発生し、スワップ金額が大きいと多額の手数料を払うことになるので注意しましょう。
特にメタマスク上のスワップにこだわりがない場合、自分で分散型取引所に直接アクセスしてスワップを実行した方が手数料が安く済みます。
BNB Smart Chainなら「パンケーキスワップ」、それ以外の「Ethereum」「Polygon」「Arbitrum」等であれば「ユニスワップ」がおすすめです。




【スマホ】メタマスクの仮想通貨スワップのやり方


メタマスクのスワップのやり方は、次の通りです。
①ガス代を用意する
メタマスクの仮想通貨スワップ機能では、次の3つの手数料を支払います。
| 手数料の種類 | 支払うタイミング |
|---|---|
| ①ガス代 | スワップ実行時 |
| ②プロトコル利用料 | 交換レートに反映 |
| ③メタマスク利用料 | 交換レートに反映 |
メタマスクを経由して実質的に利用することになる分散型取引所の「プロトコル利用料」と「メタマスク利用料」は、スワップの交換レートに含まれています。
※手数料の分だけスワップの効率が悪くなる。



ガス代はスワップ実行時に支払うため、利用ブロックチェーンに対応する「ガス代」を用意する必要があります。
例えばEthereum MainnetならETH、BNB Smart ChainならBNBです。
「メタマスクにガス代を入金する方法」は、下の記事で詳しく解説しています。


②スワップ注文を作成
メタマスクのスマホアプリを開いたら、画面上の「スワップ」をタップします。


次にスワップ元とスワップ先の銘柄を選んで、スワップする枚数を入力します。
③見積もり確認&実行
見積もりが表示されたら、内容を確認してスワップを実行します。


※「プライスインパクト」は、あなたのスワップ取引が分散型取引所の流動性プールを利用することによる交換レートの影響(価格影響)を示し、この%分だけあなたのブリッジ先で受け取れる仮想通貨の枚数が減ります。
※「スリッページ」は、あなたの最終見積もりからずれても許容できる割合を示します。あなたのスワップ注文を実行するまでに割り込んだ取引により、他のユーザーによるプライスインパクトが発生し交換レートが変化した場合、設定スリッページ以上の変化であればそのスワップは自動キャンセルされます。



ちなみに、本記事更新時点では、スマホアプリ版ではクォート(見積もり)を変更することはできませんでした。
PC・ブラウザ版の拡張機能では「他のクォート」という表示があり、ここから現在選択しているクォートの参照元のDeFiがどれか分かり、違うクォートに変更することができます。


自動選択されたクォートは手数料が最も安いものが選択されているので、基本的に変更は不要ですが、確認したい場合はブラウザの拡張機能を利用して下さい。(詳細はこちら)
メタマスクの仮想通貨スワップの仕組み


メタマスクの仮想通貨スワップは、メタマスク自体が流動性を保有したり、注文板を提供したりしている訳ではなく、主に次の2つを同時に参照してベストなスワップ方法を提案して実行する機能です。


メタマスクのスワップの参照元の一つ「Airswap」では、Request-for-quote(RFQ)と呼ばれる方法を提供しており、プロのマーケットメイカー(企業など)がスワップ希望者のオーダーに個別に応じてスワップを実現します。
※いわるゆP2P方式の取引



AirswapのRFQ機能やメタマスクでのRFQ実装は「こちらの公式ドキュメント」で詳しい解説があります。
もう一つのメタマスクのスワップの参照先は、様々なDeFiプロトコルを同時に参照して最適なスワップの組み合わせを提案して実行する「アグリゲーター型の分散型取引所」です。
※アグリゲート(Aggregate):合計する・まとめるの意味。


メタマスクのアグリゲーターの主な参照先の1つ「1inch」は、UniswapやCurveといった数百の様々な分散型取引所の「流動性プール」を組み合わせて最適なスワップを提案・実行できるアグリゲーターです。
1か所のみの分散型取引所を活用したスワップは「プライスインパクト」と呼ばれる損失が大きく発生する場合があり、アグリゲーター機能を使うとこの損失を軽減できます。
ややこしいですが、メタマスクはさらにこのアグリゲーターを参照しています。



このようにメタマスクのスワップ機能は上記に挙げた様々な選択肢から最も手数料が安く早いスワップ方法を提案してくれます。
しかし、そもそも0.875%の追加手数料を払って利用することになり、仮に最適な方法でスワップできても追加手数料とメリットが相殺される可能性があるため、自分でどこでスワップすればお得なのか分からない人向けといえます。
メタマスクの仮想通貨スワップの手数料


メタマスクのスワップ機能では、「ガス代」「プロトコル手数料」「メタマスク手数料」の3つが全て発生します。
| 取引方法 | 発生する手数料の種類 | 手数料金額 |
|---|---|---|
| メタマスクスワップ | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| ③メタマスク手数料 | 0.875% | |
| 分散型取引所(直接) | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| 中央集権型取引所 | ①取引手数料 | 0.1%前後 |
仮想通貨 取引方法種別 手数料比較表


「ガス代」はスワップ実行時の際に利用しているブロックチェーンに応じて支払います。
プロトコル手数料はクォート(見積もり)に含まれており、プロトコル手数料分だけスワップレートが悪化します。



例えば、メタマスクがスワップ先として提示するアグリゲーター型分散型取引所の一つに「1inch」があります。
1inchは代表的な「Uniswap」「Curve」「Balancer」などを含む数百の流動性の参照先があり、その参照先を複数組み合わせて適切なスワップを実行する仕組みです。
その際、1inch参照のプロトコル手数料は交換レートに反映される形になっており、1inchはユーザーに別途追加手数料を設けない仕様になっています。(1inchを活用する側は月額料金等を払っており、1inchはそれで収益を得る)
>>1inchの手数料に関する公式記事はこちら “Swap tokens on 1inch with 0 fee“
従って、メタマスクのスワップでは交換レートにプロトコル手数料分が含まれています。
メタマスクの追加手数料の0.875%も同様に、交換レートを悪化させる形で含まれています。



ちなみに、スワップ金額に対して0.875%が一律で追加手数料が発生するというのは、業界内でも高い水準です。
プロトコル手数料とあわせてメタマスクの追加手数料はスワップ金額に対して割合(%)で発生するため、ブリッジ金額が大きい場合は要注意です。
メタマスクでスワップできない原因と解決方法


メタマスクでスワップができない原因は、主に次の3つです。
①見積もり(クォート)取得エラー
メタマスクのスワップが見積もり(クォート)を参照できなかった場合、スワップはできません。


本記事のスワップの仕組みで解説したように、メタマスクのスワップは様々な「分散型取引所」やプロマーケットメイカーのRFQを参照し、最適なスワップ方法を提案してくれる機能です。
従って、そもそも分散型取引所に流動性プールが存在していなかったり、あなたのスワップに応じたいプロマーケットメイカーがいない場合はスワップができません。
※注文板でいうと買い注文が存在しないので売れない状態。



例えば、誰も興味を持っておらず取引をしていない銘柄は流動性がない場合が多く、スワップができません。
②スリッページによるエラー
メタマスクのスワップは「スリッページ」が原因でエラーになる場合があります。


スワップ画面の見積もりに表示される「スリッページ」は、あなたの最終見積もりからずれても許容できる限界の割合を示しています。
例えばあなたのブリッジ注文を実行するまでに割り込んだ他の取引により「プライスインパクト」が発生し、交換レートが変化した場合、設定スリッページ以上の変化であればそのスワップは自動キャンセルされてしまいます。



従って、このスリッページによるエラーは、価格変動の大きいミームコインのような銘柄だと起きやすいです。
スリッページのパーセンテージを設定を変更して少し上げるか、取引の少ない時間帯にスワップを行うとエラーが起きる可能性が低くなります。
③ガス代不足によるエラー
利用しているブロックチェーンに対応するガス代銘柄が不足していると、スワップを実行できません。


以下の記事を参考に、必要なガス代を準備しましょう。


まとめ:メタマスクの追加手数料には注意


メタマスクのスワップ機能は追加手数料が高く、特にスワップ金額が大きい場合は要注意です。
| 取引方法 | 発生する手数料の種類 | 手数料金額 |
|---|---|---|
| メタマスクスワップ | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| ③メタマスク手数料 | 0.875% | |
| 分散型取引所(直接) | ①ガス代 | 変動 |
| ②プロトコル手数料 | 0.01%~1%※ | |
| 中央集権型取引所 | ①取引手数料 | 0.1%前後 |
仮想通貨 取引方法種別 手数料比較表
- 少額であればメタマスクのスワップもあり
- 直接分散型取引所を使うのも検討しよう
- 中央集権型取引所が手数料は総じて安い
おすすめの日本の中央集権型取引所は「ビットバンク」です。
取引手数料(メイカー)が-0.02%でマイナスとなっており、取引金額×0.02%分の手数料を逆にもらえます。


「国内取引所ビットバンクで取引手数料を貰って取引する方法」は、下の記事で詳しく解説しています。





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※2020年5月1日より「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されていますが、一部記事では「仮想通貨」の表記を継続する場合があります。当サイトの「仮想通貨」は「暗号資産」を指します。
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その他仮想通貨に関する注意喚起について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
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