この記事から分かること
- 流動性マイニングのデメリット
- 流動性マイニングのメリット
- お勧めの流動性マイニングのやり方
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流動性マイニングとは「分散型取引所」に流動性を提供し、ユーザーが支払うスワップ手数料を対価としてもらう運用方法のことを指します。

流動性マイニングでは分散型取引所に仮想通貨を1:1のペアで流動性として提供するケースが一般的です。
分散型取引所の仮想通貨の取引価格(スワップレート)は流動性プールの中身の枚数比で決まっており、十分な流動性がユーザーから提供されることで価格が安定した市場が作られる仕組みです。

年間利率は「全体の手数料報酬/全体の流動性提供金額」で計算されるため、スワップ需要に対して流動性が少ないところでマイニングできると年間利率が100%を超えることもあり、高い利回りが特徴です。
※一般的なDeFiでの仮想通貨運用の年間利率は10%前後が多い。

さとうしかし、「インパーマネントロス」といった特有の損失が発生することもあるため、事前にリスクを理解してから始めましょう。


流動性マイニングのデメリットとは


流動性マイニングのデメリットは次の3点です。
①インパーマネントロスのリスクがある
誰かが分散型取引所でスワップを行い価格が変わると、あなたが提供した流動性の構成枚数も同時に変わってしまうため、このときに未確定の一時損失「インパーマネントロス」が発生します。
※損失は流動性を解除するまで未確定で常に変動するため「変動損失」とも呼ばれる。


インパーマネントロスは価格上昇時と下落時で両方発生するため、運用中に大きな価格変化が起こると利回りより大きな損失が発生する可能性もあります。(元本割れリスク)


一般的なインパーマネントロス(集中流動性ではないV2タイプ)の損失早見表は次の通りで、価格変化が大きいほどインパーマネントロスも大きくなります。
| 価格変化率 | 損失 (%) | BTC価格例 |
|---|---|---|
| 1.00倍 | 0.0% | 100,000USDT/BTC |
| 1.25倍 | 0.6% | 125,000USDT/BTC |
| 1.50倍 | 2.0% | 150,000USDT/BTC |
| 1.75倍 | 3.8% | 175,000USDT/BTC |
| 2.00倍 | 5.7% | 200,000USDT/BTC |
| 3.00倍 | 13.4% | 300,000USDT/BTC |
| 4.00倍 | 20.0% | 400,000USDT/BTC |
| 5.00倍 | 25.5% | 500,000USDT/BTC |
インパーマネントロス 損失早見表



表から分かるように損失パーセントはそこまで大きくないですが、利回りを超えた損失になることもあるので注意が必要です。
本記事後半で解説していますが、流動性マイニングはステーブルコイン同士のペア、イーサリアム関連銘柄のペアなど、価格の動きに相関があるものを選ぶとインパーマネントロスの発生を抑えられます。
※とはいえインパーマネントロスのリスクが大きい銘柄ほど提供される流動性が少なく、利率は高くなる傾向があるので、最終的にどちらが利益を出せるかは一概には言えません。
「インパーマネントロスの仕組み・計算方法」は、下の記事でさらに詳しく解説しています。


②他の運用方法と比べて利率が安定しない
流動性マイニングは次の要素で稼げる利回りが変動します。
- 他ユーザーの流動性提供量
- ユーザーのスワップ取引量
- 設定価格範囲と現在価格の関係
まず他のユーザーの流動性取引量や支払われるスワップ手数料の大小でもらえる利回りがリアルタイムで変わるため、運用している間のオンチェーン活動の盛り上がりが報酬に直結します。
また、「パンケーキスワップ」や「ユニスワップ」といった代表的な分散型取引所は「集中流動性」を採用しており、流動性を提供するときに価格範囲を決めます。
現在価格が価格範囲から外れている期間はスワップ手数料報酬がもらえない仕組みになっており、事前に確認した予測利率と実績の利率が大きく乖離することがあります。


「流動性マイニングにおける集中流動性の仕組み」は、下の記事で詳しく解説しています。


③ハッキングリスクがある
流動性マイニングや分散型取引所に限った話ではないですが、脆弱性を突かれてハッキング攻撃が行われ、流動性プール内の資金が流出事例が起こる場合があります。
小規模の場合はすぐに補填が行われたり、大規模の場合は特例でブロックチェーンを巻き戻して回収するなど、結果としては戻ってくるケースは多いですが、100%は戻ってこないこともあります。



実際に被害に遭う確率は低いですが、ゼロではないことを認識して流動性マイニングを行いましょう。
流動性マイニングのメリットとは


流動性マイニングのメリットは次の3点です。
①他の運用方法と比べて利率が高い
下の分散型取引所「パンケーキスワップ」の例のように、提供するペア次第で流動性マイニングは他の運用方法と比べて高い利率を出せます。
| 運用ペア例 | 年間利率※ | 変動損失 |
|---|---|---|
| USDC/USDT | 3.4% | ほぼなし |
| USDT/WBNB | 41.0% | リスク中 |
| BTCB/WBNB | 66.12% | リスク大 |
パンケーキスワップ 運用ペアの利率例
※1:年間利率(APR)は2025年11/22時点。同ペアのプールが複数存在する場合は一番TVLが多いものを参照。
これはスワップ需要に対して流動性が少ないことを意味しており、インパーマネントロスの発生リスクが高いペアであればあるほど流動性が提供されづらく、結果として利率も高くなる訳です。


②ほぼ全ての銘柄を運用できる
スワップの需要はほぼ全ての銘柄で存在するため、ほぼ全てのトークンで流動性マイニングは行えます。
例えば「ミームコイン」といった実用性に欠けるトークンは、当然「プルーフオブステーク」のような使い道もなく、借り入れたい人もいないので「レンディング」の需要もありません。
しかし、スワップでミームコインを手に入れたり、スワップしてミームコインを別の通貨に売却したい人は無数にいるため、流動性マイニングならなんでも運用できます。



何か運用せず持て余している仮想通貨がある場合、必然的に流動性マイニングは選択肢に上がります。
③一部のペアは損失リスクも避けられる
流動性マイニングのインパーマネントロスは流動性として提供しているペアの相対的な価格で発生するため、次のようなトークンペアであれば、インパーマネントロスは発生しないor発生しづらくなります。
- ステーブルコイン同士のペア
- 価格に相関関係があるペア
ステーブルコイン同士のペアは「USDT/USDC」や「USDC/DAI」などが該当します。
価格に相関関係があるペアを断言するのは難しいですが、例えば次のような銘柄は相関が生まれる場合が多いです。
- Ethereum代表銘柄:UNI/ETH
- BNB Chain代表銘柄:CAKE/BNB
Ethereumが盛り上がりETHの価格が上がるとき、Ethereumで最も利用される分散型取引所「ユニスワップ」も必然的に利用されるため、ガバナンストークンであるUNIの価格も上がりやすいという理屈です。
おすすめの流動性マイニングのやり方とは


初心者から上級者までおすすめの流動性マイニングは、分散型取引所「パンケーキスワップ」でUSDT/USDCといったステーブルコイン同士を流動性として提供するやり方で、次のメリットがあります。
- 手数料(ガス代)がほとんど掛からない
- 運用元本の価格がほぼ変動しない
- インパーマネントロスが発生しない
- 価格範囲の設定が不要なタイプが多い
- スワップ手数料の設定が必要ない
ステーブルコインの流動性マイニングは人気があるため報酬が分散してしまいますが、ステーブルコイン同士のスワップにも大きな需要があるため、年間利率5%程度は維持されます。



運用元本の価格変動がほぼないので、手堅く着実に利回りを稼げます。
また、パンケーキスワップは主に「BNB Smart Chain」上に構築・利用されている分散型取引所です。


BNB Smart Chainは1回の取引でかかるガス代(手数料)が数円程度なので、ほぼ手数料を掛けずに運用できます。
パンケーキスワップでステーブルコインUSDT・USDCの流動性マイニングを行う手順は次の通りです。


①仮想通貨BNBをウォレットに用意
まずは「仮想通貨BNB」をメタマスク等のウォレットに送金しましょう。
BNBはガス代の支払いに使うだけでなく、一部を運用するUSDT・USDCに交換することになるので、「運用したい金額+数百円分」を送金しましょう。
メタマスク上に仮想通貨BNBを送金できる国内取引所は「ビットバンク」です。
※その他には「オーケージェー」も送金できます。他の国内取引所はBNB送金には対応していません。



ビットバンクの口座は下のリンクからお得に開設できます。




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🐼 ビットバンク公式サイト:https://bitbank.cc/
※国内アルトコイン取引量No.1(シェア46%):2023年1月~2024年10月のJVCEA統計情報bitbank調べ


「ビットバンクからメタマスクにBNBを送金する方法」は、下の記事で詳しく解説しています。


②一部をUSDTとUSDCにスワップする
こちらからパンケーキスワップのスワップ画面にアクセスできます。
交換元にはBNB、交換先にはUSDTを入れてスワップ枚数を入力します。USDTとUSDCは同じ枚数でペアで流動性を提供する必要があるので、その点は注意しましょう。


ガス代を支払ってスワップを実行します。





流動性を提供するときにもガス代BNBは必要になるので、全てBNBをスワップしてしまわないようにして下さい。数百円分は残しましょう。
③ガス代を払って流動性を提供
提供できる流動性の一覧を開いたら全プールタイプで「USDT/USDC」の検索を行い、年間利率(APR)降順で利率が高い別のプールタイプを探します。
「BNB Chain」で利率が高いものであれば、どれでも大丈夫です。
プールタイプは主に「V3」「Infinity」「StableSwap」の3つに分かれますが、ステーブルコイン同士の流動性提供の場合はリスクの違いがほとんどありません。
>>V3と・nfinity・StableSwapのプールタイプはこちらの記事で解説しています。


提供する流動性枚数を入力したら、Addで流動性提供を実行しましょう。後は自動でスワップ手数料が入り続けます。


※プールタイプが「V3」や「Infinity」の場合は価格範囲を設定する必要がありますが、ステーブルコイン同士の流動性提供の場合は特に設定を変える必要はなく、初期価格範囲のまま提供しても問題ありません。
報酬の受取とステーキング解除のやり方
こちらから自分が提供したポジションの確認ができます。(My Positions)
「Collect」でスワップ手数料(報酬)の獲得、「Remove」で提供した流動性をいつでも解除できます。


※操作にはガス代が必要になります。
まとめ:メリットとデメリットを押さえて始めよう


流動性マイニングのデメリットは次の通りです。
流動性マイニングのメリットは次の通りです。
流動性マイニングは「インパーマネントロス」があるため、他の運用方法と比べるとリスクが大きいですが、利率は他の運用方法より高めです。



利率は下がってしまいますが、ステーブルコインで流動性を提供すればインパーマネントロスのリスクは回避できます。
流動性マイニングは「イールドファーミング」と呼ばれますが、他にも仮想通貨を稼げるイールドファーミングは存在します。
例えばレンディングの方が仕組みが簡単でリスクも低いので、より初心者向きです。


「各イールドファーミングの特徴・仕組み」は下の記事で詳しく解説しています。





ご覧いただきありがとうございました。
本記事に関するご質問・ご感想はコメント欄か下記のお問い合わせページ・XのDMよりお送り下さい。丁寧に回答させていただきます。
メールアドレスはこちら:contact@pandacrypto.xsrv.jp

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※2020年5月1日より「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されていますが、一部記事では「仮想通貨」の表記を継続する場合があります。当サイトの「仮想通貨」は「暗号資産」を指します。
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その他仮想通貨に関する注意喚起について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
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