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この記事から分かること
- リキッドステーキングのやり方
- リキッドステーキングの仕組み
- リキッドステーキングのリスク
※本記事へのコメント・質問等は私のX(旧ツイッター)にDMで送っていただいても大丈夫です。丁寧に回答させていただきます。
仮想通貨のリキッドステーキングとは、仮想通貨をステーキングして運用するときに、同時に債権トークンを受け取れる運用手法のことです。
例えば、仮想通貨ETHを世界最大のリキッドステーキングプロトコル「Lido Finance」でステーキングすると、stETHを同時に受け取れます。
※債権トークンはLST(Liquid Staking Token)と呼ばれる
stETHトークンは債権のため、Lido Financeでステーキングした仮想通貨ETHを返還してもらう時に消費します。
従って、債権トークン自体にはステーキングした仮想通貨と等しい価値があります。
自由に市場で売却したり、分散型取引所で「流動性マイニング」を行うことで本来のステーキングと合わせて利息の二重取りができたりします。
このように、本来はステーキングでロックされるところ、債権トークンの発行により流動性を確保した状態で流動的な運用ができるため、リキッドステーキングと呼ばれます。
この記事を最後まで読むことで、リキッドステーキングの仕組みとリスクが分かり、今日からリキットステーキングで運用ができます。
リキッドステーキングのやり方(Lido)
リキッドステーキングは、主に「Proof of Stake」を採用するブロックチェーンのネイティブトークンで行えます。
仮想通貨 | 代表的なLST | プロトコル |
---|---|---|
ETH | stETH | Lido Finance |
MATIC | stMATIC | Lido Finance |
ATOM | stATOM | Stride |
SOL | jupSOL | Jupiter |
AVAX | sAVAX | BENQI |
※LST:Liquid Staking Token(債権トークン)
世界最大のリキッドステーキングプロトコル「Lido Finance」で、仮想通貨ETHをリキッドステーキングする方法をご紹介します。
ETH運用でAPR約3%、stETHの流動性マイニングの運用でもAPR約3%で合計約6%の年間利率で運用ができます。ETHの運用としては高利回りです。
下のボックスを開くと詳細な手順が表示されます。
①メタマスクにETHをお得に入金する
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下の記事で詳しいやり方を解説しています。
②Lido Financeにアクセスする
Lido Financeの公式サイトにアクセスします。
ステーキング画面が表示されたら「Connect Wallet」でメタマスクを接続します。
③ETHを預けてstETHを獲得
ステーキングするETHの枚数を入力したら、Submitでガス代を支払ってリキッドステーキングを開始します。
後はstETHの価値が少しずつ増えていき、交換できるETHの枚数が増えていく仕組みです。
stETHは「リベース型」のトークンとなっており、保有していると勝手委にstETHの枚数が増えていき、あとでETHに1:1で戻すことができます。
【補足】stETHをETHに戻す方法
Lido Financeのunstakeサイトにアクセスします。
Requestタブより、stETHをETHに戻せます。
最短だと「Turbo mode」になり、ETHに戻すまでの日数は1日で済みます。
Requestを行った後、待機日数が経過したらすぐ右の「Claim」タブからETHを返還できます。
このように、二段階でstETHをETHに戻す仕組みです。
stETHは分散型取引所「Curve Finance」でも取り扱いがありますが、ETHへの交換比率が悪く少しだけ損をするので、Lido上でETHに戻すことをオススメします。
債権トークンの再運用方法(LidoのstETH)
Lido Financeから発行されたLSTであるstETHは、「分散型取引所」等でさらに運用できます。
stETHは主に分散型取引所「Curve Finance」上でETHへのスワップの需要があるため、Curve Finance上でETHとstETHをペアとする「流動性マイニング」でAPR3%前後で運用できます。
※本来であれば、Lido Finance上でETHを返還してもらうのが一番効率が良いですが、Requestを行ってから実際にClaimできるまで数日の待機期間が必要なため、急いでETHに戻したい人はCurveを利用します。
次の手順でstETHの流動性マイニングを行います。
- stETHとETHをメタマスクに用意する
- Curveにメタマスクを接続する
- 流動性を提供する
流動性の提供方法は、他の分散型取引所の「流動性マイニング」と同じです。
リキッドステーキングの仕組み
リキッドステーキングの沿革
Lido FinanceがETHのリキッドステーキングプロトコルを最初に開発したプラットフォームです。
Ethereum Networkは当初「プルーフオブワーク」を採用しており、2020年12月1月の「EIP-3675」が投票で採用されたことにより「プルーフオブステーク」への移行が始まりましたが、次の問題が起きていました。
- 32ETHの倍数でステーキングが必要
- 2023年9月の「The Merge」まで引出不可
- 引き出せないので流動性として利用できない
この課題を解決するために2020年12月にLidoが創設され、資金調達が行われました。
Lido Financeは少額からのETH提供を可能にし、同時にstETHを発行することで流動性の問題を解決しました。
2024年6月16日時点ではLido Financeは、全てのブロックチェーン上の全てのリキッドステーキングプラットフォームの中で最も多い330億ドルの預かり資産があります。
イーサリアムのバリデーターのシェアは、Lido Financeが最も多いです。(下の画像一番下の紺色部分)
リキッドステーキングの仕組み
リキッドステーキングの仕組みについて、Lido Financeを例にご紹介します。
Lido Financeは少額からETHを預かり、32ETH分が集まると「Lido DAO」の「バリデーター」がそれを用いてステーキングを行い、実際にEthereum上で取引の検証・承認活動を行います。
例えばあなたが1ETHしか持っていないくても、他の人が合計で31ETH分をLidoに預ければ良い訳です。
検証・承認活動により得られたバリデーター報酬から一定のプロトコル手数料が差し引かれ、リキッドステーキングを行った人に還元されます。
※Lido Financeでは10%がプロトコル手数料として差し引かれます。
また、リキッドステーキングを行うと同時に債権トークン「Liquid Staking Token」が発行されます。
ステーキングを行ってもLSTという形で流動性を確保することができ、分散型取引所で「流動性マイニング」で運用したり、「Aave」等で貸し出しを行ったりして運用ができます。
リキッドステーキングのリスク
リキッドステーキングのリスクは、LST(債権トークン)の価値が下落し、ステーキングした仮想通貨の元本を回収できなくなるリスクです。
例えば、Lido Financeが発行するstETHの価値はETHと連動し、基本的にstETHの価値は1ETHで維持されます。(リベース型のリキッドステーキングトークンの場合)
このようにstETHに価値が生じているのは、いつでも償還してETHを回収できるからです。
しかし、仮にLido Financeでトラブルが生じ、プラットフォーム上でETHの償還ができない可能性が生じた場合、stETHの価値が下落するケースが想定されます。
例えば分散型取引所の場合、通常stETHはCurve Finance等で「StableSwap」と呼ばれる仕組みでスワップされたり、仮に価格が乖離した場合はアービトラージトレードが行われたりするので価格が維持されます。
「StableSwap」はCurve Financeが開発したステーブルコイン同士といった等価交換のスワップに活用されるAMMで、「プライスインパクト」の発生なしでほぼ1:1でスワップできる仕組みです。
これがstETHとETHのスワップにも適用されています。
しかし、stETHを償還できない可能性が生まれる等、そのものも価値基盤が揺らいだ場合は別です。
StableSwapは流動性の枯渇を防ぐために、過剰に売られた場合のみ非常に大きいプライスインパクトが発生する仕組みとなっており、価値が下落します。
このように、Lido Financeのプラットフォームそのものにリスクが生じ、stETHをアンステークできない可能性が生まれた場合、分散型取引所でstETHは投げ売られて下落する可能性があります。
価格が戻ると判断されなければアービトラージトレードも行われません。
StableSwapに従ってstETHの価格は暴落するため、元のETHの投資分は回収できなくなります。
リワードベアリング型とリベース型のLST
Lido等のリキッドステーキングに仮想通貨を預け入れて代わりに発行されるリキッドステーキングトークン(LST)は、利回りを獲得する方法が大きく分けて2パターンに分かれます。
- リワードベアリング型(Reward-Bearing)
- リベース型(Rebasing)
リワードベアリング型のLST
リワードベアリング型のLST(リキッドステーキングトークン)では、LSTの価値が時間と共に上昇していき、将来的に元本に償還するときの交換レートが上昇していきます。
例えばAPR5.0%のリキッドステーキングプロトコルで1××ETH(LST)が発行された場合、1年後に1.05枚の元本を償還することができます。
代表的なリワードベアリング型のLSTは次の通りです。
- swETH(Swell)
- JitoSOL(Jito)
- rETH(Rocket Pool)
rETHのETH建チャートを見ると綺麗に右肩上がりとなっており、価値が蓄積されていることが分かります。
従って、リワードベアリング型の場合はLSTを発行(ミント)する時も1:1ではなく、1:0.9のように元本より少ない枚数のLSTが発行されることになります。
決してミント時に損をしている訳ではありません。
リワード型のLST
リワード型のLST(リキッドステーキングトークン)では、時間と共にLSTの枚数自体が徐々に増えていき、将来的に1:1で元本に償還できます。
例えばAPR5.0%のリキッドステーキングプロトコルで1××ETH(LST)が発行された場合、1年後に1.05××ETHにLSTの枚数自体が増え、1.05ETHに1:1で償還できます。
代表的なリベース型のLSTは次の通りです。
- stETH(Lido Finance)
- stDOT(Lido Finance)
- aETH(Ankr)
※stDOTは2023年8月1日にサービス終了
実際にstETHのETH建チャートを見ると、1ETH前後で常に価格が推移していることが分かります。
従って、リベース型の場合はLSTを発行(ミント)する時は常に1:1で発行されます。
仮想通貨に関する注意喚起
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